№14 地域の人と繋ぐ人を探すのが移住への近道!?

これまで、『前略つるおかに住みマス。』移住者インタビューでは、鶴岡に移住された方の体験談を紹介してきました。その中で移住に際し、この人がいたから移住しを決意したとか、移住されてからお世話になっている人たちの存在も見逃すことはできません。

今回は、移住された方と地域の方とのかかわりについて紹介いたします。移住インタビュー第1回目に登場された竹村ご夫妻と同じ地区に住む鈴木由利さんに、受け入れ側としてのお話しを伺いました。

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竹村さんとの出会いはいつでしたか?

由利さん:2014年の5月にニュージーランドの先住民の長老が来日し、羽黒山を訪れるというイベントがありました。そのイベントはクローズドイベントだったのですが、山伏の星野文紘さんに何とかお願いして参加させていただきました。そしてそのイベントで初めてバンブー(竹村純二さんの愛称)とお会いしました。

竹村さん:そのときは、ちょうど僕らが添川の物件(現在の自宅)がいいと思い、検討していたときでした。僕が星野さんにその件で、相談しようかどうか迷っている矢先に、星野さんから「バンブー、添川になぁ、鈴木由利さんという方がいて、お前がやってるイベントに参加したいと言ってるだがな、なんとかしてやってくれ」と言われたんですよ。星野さんから「添川」という言葉が出てきてびっくりしたんですよ。自分がまさに星野さんに相談しようと思っていた「添川」という言葉が星野さんの口から出てきたのですから。そのイベントが由利さんとの出会いでした。その時はご挨拶程度でしたが、その後引っ越してからは、由利さんには本当にお世話になりっぱなしです。

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由利さん:添川地区は約150世帯、540人が暮らしている集落です。バンブーは草刈りなど、村の行事に積極的に参加してくれています。地区の人たちは、移住してきた人たちに対して、心配はしているのですが、こちらからどう声をかけていいかわからないんですよ。今年の冬も何度かここ(竹村さんの家)まで、除雪とか大丈夫かなと見にきていたらしいです。向こうから聞いてくれれば答えるけども、自分たちから声をかけることが、今の若い人には面倒がられるのではと遠慮して、声をかけられないんです。

でもバンブーは、お祭りにも積極的にでてくれるし、町内会の総会にも参加してくれて助かる、とてもありがたいと地区の人たちは言っています。多分年齢的に私たちに近いので、まわりの人たちも受け入れやすいのだと思います。もっと若かったら、どう接していいかわからなくて接しにくかったかもしれません。

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( 写真提供 : 鈴木由利さん )

一般に移住者が「地域の行事やお祭りがあるけどどうしたらいいの?」と気軽に聞けるところがないのかもしれないですね。子どもがいると、子どもを通して知る機会があったり、子どもがいることによって関われることが非常に多いので、子どもがいないと難しいかもしれません。バンブーは奥さんの幸子さんが鶴岡出身の人だから、入りやすかったのかもしれない。奥さんはお伊勢講にもでてくれるし。

お伊勢講って何でしょうか?

由利さん:お伊勢様を祀っていて、昔、若い女性が二日間かけて着物を着て踊ったり飲んだり、若い女性がやっていました。今は簡素化して、春と秋の年に2回、夕方公民館に集まってご飯を食べるくらいです。そういった行事があることも住んでいる人に聞かないとわからないかもしれません。

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他の村人たちとの関わりはどんな感じですか?

由利さん:仕事をしていると、日頃のおつきあいは特になく、何かイベントがあるときくらいです。いただき物のお裾わけをしたり、「お医者さんはどこへ行ったらいいの?」など暮らしに必要な情報を聞いてきたりと、毎日べったりのおつきあいではなく、何かあったときになんでも聞ける距離でいるのがお互いいいと思います。
竹村さん:そんなに濃いお付き合いはしていませんね。行事には、基本的には参加しようを思っていますが、日曜などは自分のお店をやっているので参加できないし。次の総会もちょうどイベントと重なっていて参加できないかもしれません。村の人が行事があるたびに、チラシを持って案内に必ず来てくれるので、もうちょっと村の行事に参加したいと思ってはいるのですが、なかなか参加できていない状態です。

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( 写真提供 : 鈴木由利さん )

竹村さんのように、今まで地域外から移り住んでこられた方はいますか?

由利さん:今まではいないですね。もちろんこの地域じゃないところからお嫁さんにきたり、お婿さんにきたりしている人はいますが。

受入れ側の態勢を整えるというより、入ってきた人たちが積極的に「どうしたらいいか?」と聞いてくれるといいと思います。地元の人と早くコミュニケーションをとり、地域の人と繋いでくれる人を探した方がいいですね。例えば、自分よりも先に地域に移り住んできた移住の先輩を紹介してもらうのもいいと思います。あと町内会長さんに挨拶にいって、「今後いろいろなことをどこに相談したらいいですか?」と聞いてみてその地域の人を紹介してもらい、その人を頼るのもいいんじゃないでしょか。

バンブーの場合、去年は雪がすごかったから除雪できなくて、今年は地域の人が、心配で何回か見にきていたみたいです。皆、心配してはいるんです。つまり、受け入れ側の態勢は、移住されてきた本人次第で変わってくると感じます。

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( 写真提供 : 鈴木由利さん )

 

竹村さん:この冬は、由利さんに除雪機の使い方を教えてもらったんです。雪が降る前に「家の周りの雪をどうしましょう?」と由利さんに相談していて、除雪車も入ってこない場所なので、そこは除雪機でするしかないということになり、由利さんのところに除雪機の使い方を聞きに行ったんです。由利さんが早速Facebookでそのことを紹介したら、それを見た妻のいとこが「中古で使っていた除雪機あるよ」と連絡をくれ、安く譲ってくれたんです。由利さんがFacebookにあげてくれたお陰です。庄内はFacebookを活用している方が多いから、Facebookを絡めてコミュニケーションをとるのがとてもいいと思います。

由利さん:村に元気な人が必ず一人や二人いるので、その人と早くコンタクトをとるのがいいと思います。

竹村さん:由利さんは、ホントにいい姉御、頼りになります。一つ聞いたら三つくらい情報をくれるし、気にかけてくれているので本当に助かっています。近所とのつきあいの中で、冗談を交わしながら話せる人がいるのがありがたいです。

庭の桜の木が隣の畑にかかっていてから切りたいという時にも、いろいろ世話をしてもらいました。地域の人との仲介役をしてくる人を早くみつけるのが重要だと思います。そしてその人とフィーリングがあうかどうかも重要ですね。

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( 写真提供 : 鈴木由利さん )
由利さん: 添川の両所神社では毎年8月18日に大祭があります。昨年のお祭りには竹村さんも参加してくれていましたよ。(写真下)。

お祭りは地域の行事の一つとして重要な役割を担うと思います。お祭りがあると、地元の若者がその地域に残ります。例えば、添川では獅子舞を小学校のときに、地域に長い間培われたふるさとの良さを学ぶという趣旨で伝統文化を学びます。お兄ちゃんたちが踊っているのを見て、小さい子たちが自分も獅子踊りがしたいと憧れ、それが地元愛にもつながります。

また、バンブーが参加してくれたように、移住してきた方にとっては、地元のお祭りに参加することで、一気に地元の人と交流し、仲間に入る機会にもなります。

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( 写真提供 : 鈴木由利さん )

※両所神社獅子舞
江戸時代、貞亨3年(1686年)、両所神社が現在地に奉還された時に村をあげて大祭典がおこなわれました。その際に氏子の壮者が獅子踊を競って奉納したのが始まりとされています。三百数十年の間、例祭日に毎年かかさすことなく奉納されて今日に至っています。
(昭和47年市指定無形民俗文化財)

 移住者の受け入れに向けて地域でできることについてどう思いますか?

由利さん:今まで、ずっと地域には移住者が来ることはなかったので、移住者の受け入れに関しては、地域側は慎重だったと思います。空き家があるから貸したらいいじゃないのとは思うかもしれないけれど、なかなか移住者を受け入れるということが想像つかない、イメージできないのが正直なところかと。でも、自分達の子どもには帰ってきて欲しいと思っています。

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由利さん:田舎、つまり小さい地域に移住を考える人は、いきなり移り住むのではなくて、中間都市部に一旦入り、1年や2年とか暮らしてみる。そして、自分の足であちこち歩いてみて、実際に住んでみたい場所を探し、そこに暮らす人たちと接してみてから移住するのがいいのではないでしょうか。つまり、移住する側も迎える側もワンクッションおいてからの方がお互いやりやすいのではないでしょうか。

鈴木由利さん : 鶴鶴岡市添川出身、在住。ウエルネスケア代表。美容と健康、介護予防に関わる講演、教育研修事業を行う。

(平成28年2月11日取材 写真・文 俵谷敦子)




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