No.9 空き家をリフォームして、山羊♡ライフを実現!

第9回目のレポートは、鶴岡市黄金地区寿集落にある空き家をリフォームして、移り住んだ佐久間さんご夫妻を紹介します。

佐久間夫妻(2)

「とにかく郊外の広々とした地域で山羊と一緒に暮らせる家を探したかった。」そう語る麻都香さんは、宮城県仙台市のご出身。2004年に山形大学農学部に入学し、2年生のときに鶴岡市に移住しました(※)。

大学卒業後、2009年1月から2011年3月まで海外協力隊(JICA)でアフリカのブルキナファソに渡航し、稲作の新品種の普及活動をしてきましたが帰国後、再び鶴岡に戻り、山形大学農学部の大学院に進学しました。(麻都香さんのこれまでの仕事について、くわしくは鶴岡ナリワイ女性インタビューをご覧ください。)

※山形大学農学部は、1年生のときは山形市、2年生から鶴岡市のキャンパスに移ります。

一方、ご主人の拓也さんは福島県鏡石町のご出身。岩手大学農学部を卒業後、2004年から山形大学農学部に勤めるために鶴岡市に移住しました。それまで鶴岡には、家族旅行で一度クラゲの水族館に来たことがあったのと、バイクのツーリングで通っただけだったといいます。

鶴岡での生活に不安はありませんでしたか?

拓也さんは、もともと旅行で知らない土地に行くのが好きだったので、新生活への期待の方が大きく、学生時代は岩手で過ごし寒さには慣れていたので、雪も大丈夫だろうと思っていたそうです。しかし実際に来てみたら雪は辛いし、冬にはお日様がないのも辛かったと拓也さん。加えて言葉がよくわからなかったと振り返ります。
一方、麻都香さんは2年生から農学部が鶴岡市に移動するとわかっていたし、友達も皆一緒だったから不安はなかったといいます。

柿畑と麻都香さん

それぞれが鶴岡市での暮らしを始めていたお二人が急接近したのは、麻都香さんがアフリカから戻ってきてから。お互い旅行の話しで盛り上がるようになり、一緒に遊ぶ仲間の一人になっていました。その後、お付き合いを重ね2015年の2月に結婚しました。

当初は市内にある借家に住んでいたお二人でしたが、山羊が好きでどうしても飼いたいと思っていた麻都香さん、2014年11月に二人で山羊探しに出かけ、茨城の知り合いの農家さんで茶色の素敵な山羊と出会いました。夏場は家から離れた郊外の柿畑で飼っていましたが、その場所で冬を越すことは難しく、冬の間に当初住んでいた市街地の一軒家に山羊を連れてくる訳にもいかず、山羊を沢山飼っている方から間借りする形で冬を越すしか手だてがありませんでした。

写真7(自宅にてヤギさんと)

そこで麻都香さんは、新規就農も目指していたので、家の近くに農地があり、山羊を飼う事ができる場所に家探しを始めました。また音楽が好きだったので、ちょっと大きめの音を出しても差し支えない解放感のある郊外に住むことが理想でした。

 

家探しの情報収集はどうしましたか?

家を探すために、まずインターネットで「鶴岡市 空き家」と検索しました。そこでNPO法人つるおかランド・バンクが実施している「空き家バンク事業」のことを知り、実際に事務所を訪ねました。不動産屋さんの場合、家の値段や間取りなどが公開されていますがNPO法人鶴岡ランド・バンクの空き家情報というのは、ここに「空き家がありますよ」という情報だけですが、その空き家の情報を詳しく知りたいという段階で所有者に繋いでもらい、中を見せてもらったり、直接持ち主と交渉ができるようになります。
最初の物件は先約があったため、諦めましたが、その後も何件か見て回りました。

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ここが決め手になった理由は?

麻都香さんはいいます。「実際に寿地区へ来たとき、『ああ、ここで山羊を飼いたい!』と感じたのです。また先輩移住者である井東敬子さんとの出会いもあり、敬子さんとは小さな起業を目指す『鶴岡ナリワイプロジェクト』でご一緒していて、家探しに必要な情報やアドバイスをいただき、とても助かりました。また知り合いの大工さんも紹介していただきました。物件はかなり古かったのですが、二人で相談して、まずは居住空間だけリフォームしょうということになりました。」

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リフォームに使用する木材にこだわりたかったのと、薪ストーブも導入したかったので、様々な補助金を有効に活用しようと考えました。
実際には、①鶴岡市リフォーム補助金(婚姻・出産世帯 子育て世帯 移住世帯優遇有)
②鶴岡市空き家バンク活用補助金 ③省エネ住宅ポイント ④再生可能エネルギー利用補助金などを組み合わせながら段階的にリフォームを行いました。

家探しについてのアドバイスはありますか?

「やはり情報収集と実際に物件に足を運んでみることだと思います。先輩移住者の声もとても参考になりましたし、物件の購入を決めたら、住民会長さんに挨拶に行くことは重要だと思っています。家の購入を決めた時に、一番最初に住民会長さんの家に挨拶に伺いました。この集落は14軒しかなく、家のリフォーム工事を始める前に一軒一軒二人で挨拶にまわりました。その時に三世代で暮らしていて若いお母さんが多いことも知りましたし、住民会長さんが皆さんに事前にお知らせしてくれていたお陰で行く先々では歓迎していただきました。今ではおすそ分けをいただくなど、近所の方にとてもよくしていただいています」と麻都香さん。

地域住民との交流会

芋煮交流会②

佐久間さん夫妻が引っ越してから、2か月ほど経った頃、地元のNPOが主催となり、黄金地域で移住について考える交流会が開かれました。黄金地区の人口減少、少子化が問題となっており、若い人たちを繋ぐために、地域住民が勉強して受入体制をつくろうということで、移住して間もない佐久間夫妻と囲んでの芋煮会や実際に佐久間さんのお宅のリフォームの内覧会を開催しました。
地区の人20名近くが集まり、佐久間さんご夫妻がここに移り住むまでの経緯などをお話ししたり、地域にある暗黙のルールなどを聞いてみたりしました。この日初めて佐久間さん夫妻に会う住民の方もいらしたようでしたが、交流会を通して地域の方たちが歓迎してくれているのが分かり、移住者、受け入れ側双方にとって「良かった」という声が聞かれました。

これからしたいこと

「まだ引っ越したばかりなので手探り状態ですが、薪棚を作ったり、屋根のペンキ塗りや、山羊をを放し飼いにするための柵を作ったりと、いろいろな作業をしながら、季節の恵みを楽しみながら暮らしていけたらと思っています。」と拓也さんは意欲満々でした。

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(平成27年8月26日 インタビュー 文・写真 俵谷敦子)

 

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