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No.28 後編 「一度地元を出て、地元に戻る」という経験そのものが武器になる

今回のインタビューは2015年に宮城県仙台市から市役所職員としてUターンされた櫻井開さん(33歳)にお話しを伺いました。櫻井さんは鶴岡市生まれ。高校卒業後、宮城県の大学に進学し、その後仙台の建設会社に就職しました。実家は農家という櫻井さん、自分の定年までに帰ってきて家を継げばいいかなと漠然と思っていたそうです。前編はこちらから・・

  

(写真提供:櫻井さん 左 : 大山犬祭り 右 : おいやさ祭り)

―鶴岡に来てよかったですか?

櫻井さん:そうですね。人が多くてガチャガチャした所よりは、ゆっくり子育てできる所の方が良いなと思っていました。実際にこっちに来てから妻に聞くと、「やっぱり教育の環境はこっちの方がいい、来て良かった」と言っています。そしてやはり家族の時間が増えたことですかね。それをしたくて、転勤がない仕事を選んだ訳ですから。

 ―お休み日はどんな風にお過ごしですか?

櫻井さん:休みの日は外で遊ぶ事が多いですかね。公園へ行ったり、地域のお祭りにも参加しました。実家では米とだだちゃ豆を作っているので、春と夏にその手伝いをしています。

(写真提供:櫻井さん ボルダリング 梵字の蔵)

―鶴岡を出る前と帰って来てからでは、気持ちが変わりましたか?

櫻井さん:私の場合、鶴岡で一生過ごすのはイヤだなあという感じで出ました。あと他の大きな街で暮らしたい、でも首都圏に行く勇気がなかったので、仙台です(笑)。家から出て親と離れると、ありがたみも分かるし(笑)。でも大学を卒業してすぐには、まだ帰ろうとは思わないじゃないですか。やっぱり鶴岡にはない楽しいこととか、面白いものが仙台にはあるし魅力的でした。仙台に居たときは、遊ぶとしたらやっぱりショッピングセンターとか、街中に出かけたりしていましたが、鶴岡に帰ってきてからは、公園だとか、色々な商店街でやっているイベントにでかけるようになりました。昨年初めてこしゃってマルシェ(※)にも行きました。とても良かったです。鶴岡を出てからは、20歳くらいで鶴岡の情報が止まっていたので、祭りとか花火とか食べ物も有名なものしか分からなかったですけど、最近色んな取り組み、サイエンスパークとかそうですけど、意外と他の地域より進んでいる事をやっているんだなあという印象はありました。でも、「鶴岡はいいところだ」って美化して、いいように解釈していたというか、帰ってきてやっぱりこんなもんだったかっていう思いもありましたね。はじめ、大山から市役所に通うことになったとき、バスで行けるだろうって思っていたんです。そしたら帰りの時間に合うものもなく、やはり公共交通機関が不便だなぁって。どこに行くにも車が必要なんですよね。
(※)こしゃってマルシェ 「農」「食」「手作り」をテーマに作り手と使い手が顔を合わせ想いを共有するマルシェ。年に何回か櫛引地域をメインに開催される。

(写真:市役所前にて)

―市役所の仕事はどうですか?民間との違いは何ですか?

櫻井さん:今までは、仕事を受ける側、もらう側だったので、どうやればそれがうまくできるかを考えていたんですけど、今の仕事は、それを計画するところ、工事の計画とかする前に、やっぱり色々な理由があるじゃないですか。地域の人から要望があったりとか、不具合の原因を特定して解消の方法を探るとか。更に奥深くまで考えなきゃいけないので、面白いなと思います。ただ、ニーズは多様化してるので、うまく対応していくのはなかんなか難しいなとは感じます。仕事に関して言えば、役所の仕事ってそんなにガラッと変わるものじゃなくて、昔からのやり方が必要だったりもするんです。民間から入ってくると、なんでそんなのが(笑)っていうのもあります。首都圏などの民間会社で働いてくれば、どんどん新しい事や効率のいいことをやっているので、市の職員も1回外に出て、色んな人と出会って、色んな経験を積んで、そういうノウハウを持って帰ってもらいたいなと。受け入れる方も、外から別の経験をした人が来ないと、変わりようがないというか、勿論Iターンとかでまるっきり違う人が来るのもいいと思いますし、こっちで育って、地元も知っていて、外も知っているとなると、更にその人の武器になるんじゃないかと思います。ずっと鶴岡にいて高校を卒業して就職するのもありだと思うんですけど、私は一度出て、色んなものを経験してから戻ってきた方がいいなとは思います。

(写真提供:櫻井さん 内川下り)

―これからどのように暮らして行きたいですか

櫻井さん:先のことはまだ何も考えてないですけど、スキーなど自然の遊びをこれからもっとしてみたいなと思います。あと、イベントやワークショップなどへの参加を通じて、色んな仕事とか色んな活動をしている人と関わりあいたいとは思いますね。

―移住を考えている方にアドバイスがあればお願いします。

櫻井さん:家族に対して、鶴岡の良いところだけ見せようと思っていた時期もありましたが、悪い所も見せておいた方がこちらで暮らすイメージとか判断しやすいのかなとは思いました。移住後初の冬は雪も少なくて良かったんですけど、昨年は大雪の年だったので、私自身も「なんだよー!」みたいな感じで、もう見たくないです(苦笑)。

―最後に何か今回の移住を通しての感想があれば教えてください。

櫻井さん:自分は鶴岡が嫌で出ていって、また戻ってきたんですが、戻ってきても嫌なものは嫌で残っているんですよね。親の干渉が強いとか、保守的な人が多かったりとか。良い言い方をすれば、まじめで世話好きなんだと思うんですけどね。そういうのは、変わらない(苦笑)。ただ1度離れて暮らすと上手につきあえるというか。昔は、「バーン!」って、はね飛ばす位だったんですけど、今は自分で吸収出来るようになりました。まあ、やっぱり他の所、街に出ると、色んな人と接するので、それで、免疫がついたっていうか、ちょっと成長できたのかなとは思います。

No.27 前編 「一度地元を出て、地元に戻る」という経験そのものが武器になる はこちらから・・

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