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№68 面白い人たちに出会えるまちで暮らす

鶴岡市に移住した人々の日常を、リアルな体験談とともに紹介する“鶴岡市移住インタビュー”。 30歳を目前に、夫婦で鶴岡に移住した石沢成美さんと竹内暉英さんのおふたり。地元ではない鶴岡に移住を決めたきっかけとは?そして実際に暮らして感じた鶴岡の印象や日々のこと、仕事や家族の形について。石沢さんが働くメタジェンセラピューティクス株式会社のつるおか献便ルームをお借りしてお話を伺いました。

プロフィール

豊かな自然と最先端のサイエンスが共存する場所

鶴岡に移住する前は、仙台にお住まいだったそうですね。 なぜ鶴岡に移住することになったんですか?

石沢さん
私は山形市出身で、生まれ育った山形の自然環境や食べ物だったり、人が好きで、いつか山形に戻りたいという思いがありました。就職活動で山形市の仕事を探していたのですが、自分の力が活かせるというか、やりたいと思える仕事がなかなか見つからなかったんです。 
そんな時に、鶴岡市のサイエンスパークには、最先端のサイエンスの研究機関やスタートアップ企業がたくさんあると聞いていたのを思い出しました。それで調べたら、今勤めているメタジェンセラピュ―ティクス株式会社の求人が出ていて、私はもともとバイオの専門でも製薬や創薬の経験もなかったんですが、「興味があるのですが…」とコンタクトしたことがきっかけで採用していただきました。
夫にも以前からよく移住について相談していたので、就職が決まり鶴岡に移住することになりました。

竹内さんは鶴岡への移住前から東京の企業にフルリモートで働かれていたそうですね。住む場所が変わることに不安はありませんでしたか?

竹内さん
そうですね。東京から妻の住む仙台に移住した時点で、どこに住んでも大丈夫かなと思っていました。彼女が鶴岡に行きたいって言うならいいかなって。実家のある東京にも庄内空港から飛行機で帰れるのでそこまで遠くないし、海外とかじゃなければやっていけそうかなという感じで来ました。職場への出社義務はなく他の社員もリモートワークですが、東京のオフィスに出社するときは合わせて同僚も出社してくれてありがたいです。

移住のきっかけになった石沢さんの「つるおか献便ルーム長」としてのお仕事についてうかがってもいいですか?便から薬をつくる会社だそうですね。

石沢さん
メタジェンセラピュ―ティクス株式会社は、健康なドナーの方のうんちに含まれる腸内細菌を活用した薬や治療法の研究を行っています。献便ルーム長って多分日本初の肩書きだと思うんですけど、まずはどういった仕事があるかをゼロから作っていくところから始まりました。私の主な役割としては、ドナーさんのうんち(薬の原材料)を集める施設「つるおか献便ルーム」を円滑に運営することです。施設でのオペレーションや一連の流れなどを統括していくことに加えて、献便をたくさん集めるため、まずは多くの人に知ってもらうためにイベントを開催するなど、 PR活動にも取り組んでいます。 
今年5月は、1周年記念で初めての自社イベントを開催したのですが、約120人の方が関わってくださって、さらに交流が深まる機会になりました。

1周年記念イベントでは、式典の他、普段はドナーしか入ることができない献便ルームの見学ができたり、腸に関わる様々な出展ブースや腸活弁当の提供もあった。

暮らしやすさのポイントは「程よい田舎」

四季を通して、鶴岡で暮らしてみてどうですか?

竹内さん
僕は仕事をしている平日は基本外に出ないので、正直東京にいるのとあまり生活は変わらないです。休みの日に出かけると、山や田んぼの風景が季節ごとに変わっていくのが東京にはないところだなと感じています。 

石沢さん
「程よい田舎」だなと思います。街なかに住んでいるので、スーパーやコンビニとか病院も自転車圏内にあり不便なく暮らせています。その一方で自然が身近に広がっているので、仕事に疲れたり何か悩んだ時も、海や山に行ってリフレッシュできる環境は鶴岡ならではだと思います。 

竹内さん
平日は割と僕が料理をすることが多いんですが、鶴岡に来てからは、食卓がとても豊かになりました。漁港が近いからだと思うんですけど、新鮮な魚がいっぱいあるので、小鯛とかアジとかを買ってきて、鱗を取って料理したりしています。 

石沢さん
すごく魚をさばいてくれてます。(笑)

自分たちで魚をさばいて作ったアクアパッツァ。

竹内さん
東京で一人暮らししていたときはじゃがいもとか人参とか常備菜ばかりになりがちだったんですけど、孟宗筍とかだだちゃ豆とか山菜とか旬のものを見かけると、レシピを調べて作ってみることが増えたかなと思います。 

石沢さん
料理の幅は広がりましたね。山形県出身ですけど、知らない山菜があったりして、買ったりもらったり。食が豊かになったというか楽しみが増えたなあと。 

竹内さん
そういえば前に町内会の方に「パソコンできる?」って言われて簡単なチラシづくりをお手伝いしたことがあって、次の日にお礼にってダンボールいっぱいの野菜をいただいたこともありました。

面白い人がたくさん集まる刺激的な場所

お二人が感じた鶴岡の魅力を教えてください。

石沢さん
自然も好きな場所がいっぱいあるんですけど、献便ルームがある鶴岡サイエンスパーク1が好きです。いい意味で変な人がいっぱいいるんですよね。オタクというか、なにかに熱中して極めている人たちがここに集まっているんです。地方とか小さいコミュニティに行けば行くほど、あまり尖ったことができないようなイメージがあったんですけど、鶴岡って全然違うなと思います。最先端の施設があって、そこにいろんな背景を持った人たちが集まってきていて、その人たちの話を聞いているだけで面白いなと思ってます。 

竹内さん
僕も似たような感じで、特定の場所はあまりないんですけど、妻がいろんなコミュニティに連れ出してくれるのもあって、色々な知り合いが増えて、輪が広がっていくのがいい場所だなと。鶴岡市の移住者交流会でも、移住者に門戸をひらいている感じがして、ウェルカム感が印象的でした。たまたま来たよそ者をさっと受け入れてくれるような感じがありがたいですね。 

  1. 【鶴岡サイエンスパークとは】 
    2001年に慶應義塾大学先端生命科学研究所 (IAB) が設立。山形県と鶴岡市の行政支援をベースに、大学、民間企業、そして市民をも巻き込み、世界が注目する実績と未来への大きな可能性をもつ、最先端のバイオサイエンスを核とした未来創造田園都市。世界最先端のバイオテクノロジー研究が行われており、研究所からは多くのバイオベンチャーが誕生し、高度な関連機関の集積が進み、大学を核とした独創的な地域活性の成功地として、国内外から注目されている。 ↩︎

東北一面積が広い鶴岡市での運転代行事情

休日のお出かけはどこにいきますか?

石沢さん
花火大会に行ったり、温泉に行ったり。この1年でありとあらゆるイベントにも行きましたね。 

竹内さん
僕は日本酒が好きなんですが、逆に質問してもいいですか。皆さんお酒を飲みに行った帰りは代行を使われているんですか?

徒歩圏内の人もいれば、運転代行やタクシーを利用したり、家族に迎えをお願いしたり。家が遠い人は最初から街なかに宿泊して飲みに行く人もいますよ。住んでいる地域や人によって様々ですね。

石沢さん
たしかに都市部に住んでいた時は週に2、3日は飲み屋さんに寄っていたんですが、鶴岡では飲みに行く機会は減った気がします。 

竹内さん
日本酒も外に飲みに行くより、買ってきて自宅で飲む方が多いですね。

自分でコミュニティをつくっていく

石沢さんは石がお好きと伺いました。

石沢さん
はい。もともとは気象などに興味があったんですが、大学で地学の専攻に入ってから全国の地層を見に行ったり、岩石を顕微鏡で観察したりしていたら、石にハマってました。 
鶴岡だとあつみの道の駅しゃりんの裏の岩石が好きです。 

竹内さん
小旅行に行くと必ず「石を見る日」のスケジュールが組まれてます。(笑)

あつみ道の駅 しゃりん裏で岩石を堪能。

石沢さん
鶴岡で「スパイスとヒト」っていうスパイスカレー屋さんを営んでいるキミさんという方がいて、そこでコミュニティづくりをしていらっしゃるんですが、ふと石の話になって、「鶴岡は石好きがいっぱいいるからイベントやってみたら」って言っていただいて、石を持ち寄って良さを語り合う会「石ナイト」を何度か開催しています。今まで東北では石仲間がいなかったんですが、鶴岡に来たら仲間がたくさんできました。(笑)

「スパイスとヒト」の店舗で開催された第1回の石ナイト。石を拾うのが好きな人、研磨するのが好きな人、全国各地に石を見に行く人。いろんな石好きが集う。

好きなことをやりながら自分たちらしく

これからやってみたいことはありますか?

竹内さん
普段は自宅で仕事をしているのもあって、人とのコミュニケーションが少ないので、自分が興味のある分野のコミュニティができたらいいなと思ってます。エンジニアとか、日本酒好きで集まったりできたらいいですね。 
来年は東京の日本酒好きの友人と一緒に大山新酒・酒蔵まつりに参加できたらいいなと思ってます。あとは、個人でも趣味でアプリ開発をやっていて、好みの日本酒を探せるアプリとか妻の好きな石に関する情報を集めたアプリも作ったりしていて、まだ完成していないので少しずつ進めたいですね。 

石沢さん
私はフリーライターとしても活動していて、最近ちょっとなまけてるんですけど、昨年は大好きなだだちゃ豆の収穫に行ったりしました。そういう自分自身が楽しんでいることを発信していきたいですね。 
山形に戻ってきた頃、地元の人に山形の暮らしなんて楽しくないよと言われて少し悔しかった経験があって。私は都会の暮らしが苦手なので、ここでこそ楽しく暮らせるっていうところを自分自身が見せていきたいなと思っています。山菜採りもまだできていないし、果物狩りとか、ウィンタースポーツをやったり、自然を楽しむことをやっていきたいなと思っています。

お二人は事実婚を選択されているそうですね。

石沢さん
そうですね。二人で相談して婚姻届を出さずに、契約書を結ぶ事実婚を選んでいます。私が盛岡に住んでいた時は、事実婚などの異性同士を対象としたパートナーシップ宣誓制度があったのですが、鶴岡市ではパートナー宣誓制度自体がなく、山形県のパートナー宣誓制度も性的マイノリティの方が対象で、私たち夫婦には当てはまらないんです。住まいの契約の時に手続きの不便さなどがありましたね。 
全国的にも徐々にパートナー宣誓制度の新設や内容の見直しがされてきていて、異性同士も対象となる自治体もあるので、鶴岡でもそういった動きがあると多様な人がより心地よく自分らしく暮らせるまちになるんじゃないかなと思います。


お互いを尊重しながらともに考え、自分たちらしい生き方を自分たちで選び取っているお二人もまた、鶴岡に集まる最高に面白い人でした。お話いただきありがとうございました。


石沢さんからのメッセージ

メタジェンセラピューティクス株式会社では、私のようにUIターン就職の方が多く働いています。もし、本インタビューでお仕事内容等興味がございましたら、ぜひ当社HPをご覧いただけたらうれしいです。

メタジェンセラピューティクス株式会社 | https://www.metagentx.com/
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